日別アーカイブ: 2023年12月26日

AIカウンセリング

日本におけるカウンセリングの現状

 カウンセリングは,病気がある人が通うと思われがち。また,詳細を知られてないため,家族にも勧めずらく普及率が低い一方。理想としては,ちょっとした悩みでも,「カウンセリング行っといで!」と言ってくれる人がいることや,それを迎え入れてくれるカウンセラーが身近にいること。「~先生!」と近所の人に相談するような感覚がベスト。

1. AIカウンセリングの特徴

メリット
・相談までのハードルが低い:24時間365日対応,場所を問わない
・低コスト:カウンセラーだと1時間1万弱
・カウンセリング待ちがない:予約等は不要で,すぐに相談できる
・カウンセラーの負担:心的負担が軽くなる
・相談への抵抗:初対面の相手より話しやすい場合も

デメリット
・返答内容:GPT3.5だと機械っぽい,2021年までの話題
・感情理解:クライエントの気持ちを読み取って,自分から発言することはない
・複雑な相談:専門家への相談が推奨される
・介入方法:言葉の支援のみで,箱庭療法などの介入はない
・健康問題:摂食障害の方に痩せる助言を与えるのは危険

2. 具体的な介入方法

会話中の行動
・表情:会話内容「快・不快,覚醒・非覚醒」を得点化し,表情変化させる
・動作:Face Capture等で,会話中の人間の表情をAIに学習させる。

会話モデル
・モデル:二次元キャラ,3次元風のキャラ→表情が動くもの
・ボイス:voice boxなど
・返答:GPT4.0。プロフィールを設定し(口調・性格など),機械感をなくす
・人格:用途別もしくは候補を挙げる。ランダムで生成し,上位3つを使用
・表示形式:UnityでAndroid Build,もしくはUnityRoomでリンク配布

イメージ画像

クライエントの健康状態の判断
・Fitbitのデータ:RHR・rMSSDの増加時に(ストレス),AIから話かける
・心理指標:長期的な実験なら,定期的にForms回答をしてもらう

3. 言語AI

GPT-4V
・機能:画像添付と音声入力が可能。イラストの自動作成も可能
・画像評価:画像を読み取れるため,表情からクライエントの感情状態を読める
・会話内容:会話履歴から遡れ,GPT3.5に比べ会話内容に一貫性がある

GPTs
・特徴:独自のAIが作れ,「日常用・相談用・勉強用」など振り分けができる
・性能:製作者のカスタマイズ次第

4. 使用ソフト

メイン
・Unity:アプリケーション開発
・fitbit:ストレス値を評価

プログラム
・Python:マウスカーソルの操作も可能(ポジションを指定)
・Notepad++:Python, Fitbitを動かす
・c++:Unityスクリプト

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問題は,どうやって話しかけてもらえるようにするか。
AIから定期的に話してくれる,Alexa・Siriみたいに機能をつける?

Vの配信見てても,側より話者の発話な気がする。
抑揚をつけて話せれば,人と話せている気分で違和感がない。
敢えて,機械っぽくするのもありだが。

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公認心理士コースの方からのアドバイス

注意点
・深い内容がいつ出るかわからない:咄嗟に出てきた時の対応
・相談内容の機密保持
・支援方法:場合にもよるが,カウンセラーの姿勢は「すぐに答えを呈示するのではなく,あくまでクライエントが答えを導き出せるように支援すること

参考資料
1. GPTはカウンセラーになれるか:リンク
 →AIはカウンセラーの仕事の手伝え,回答の質や共感姿勢が医者を上回る
 →不適切なアドバイスを提供する恐れ,思いやりや人間性に欠ける
 →認知行動療法とAIの相性がよい可能性。アプリ作成が最適

2. QOLに応じたロボットとの継続的なカウンセリング(中川ら,2023)

得られた結果
①カウンセリングは,クライアントに共感を示すことが重要と主張されている
→研究で用いたロボットでも,クライアントの発言にFBすることで,「自分の発言が理解された」と感じ,自己開示が促進された。
→ロボットがQOLに応じた返答を行うことで,参加者自身もQOLを反映していると認識している。
②QOLの向上
→実験期間が1週間のため,身体的健康の改善が困難であったが,その他7尺度に上昇傾向がみられた。ロボットからのFBが参加者のQOL改善を促した。

3. 産業保健心理学領域におけるAI活用の現状(宮中,2023)

①産業保健心理学では,GPTを用いて以下2点の研修が考案
・メンタルヘルスの改善
・ワーク・エンゲイジメントの向上

②カウンセラーの補助×AI
・カウンセリングの業務効率化
・カウンセリング効果の検証
・カウンセリング品質の改善
・事例の難易度判定し,それに応じてカウンセラーの割り当て