日別アーカイブ: 2023年9月29日

231006 卒論進捗

進捗

生理指標

1. 計測回数ごとの制御方略別の皮膚温制御成績

① 計測1
 「2(制御方略:温冷感, 情動)×5(課題期間:1分~5分)×2(訓練方向:上昇, 下降)」の3要因5水準混合計画の分散分析を行った結果, 主効果・交互作用の効果は認められなかった。

② 計測2
 「2(制御方略:温冷感, 情動)×5(課題期間:1分~5分)×2(訓練方向:上昇, 下降)」の3要因5水準混合計画の分散分析を行った結果, 制御方略の主効果が有意傾向(F(1, 11)=3.36, p<.10)であった。交互作用を行った結果, 「制御方略×課題期間」の効果が5%水準で有意だった(F(4, 44)=2.85, p<.05)。
 制御方略の主効果が有意傾向であったため, Holm法による多重比較を行った結果, 1分目より4分目, 5分目が高く, 2分目より5分目が高かった(ps<.05)。また, 「制御方略×課題期間」の交互作用の効果が有意であったため, 単純主効果の検定を行ったところ, 4分目および5分目で制御方略の単純主効果が有意傾向であった(ps<.10)。加えて, 課題期間と温冷感イメージの単純主効果が有意であった(p<.01)。

図1 計測1, 2の「制御方略×課題期間」

③計測3
 「2(制御方略:イメージなし, その他)×5(課題期間:1分~5分)×2(訓練方向:上昇, 下降)」の3要因5水準混合計画の分散分析を行った結果, 制御方略の主効果(F(1, 10)=3.85, p<.10), 課題期間の主効果(F(4, 40)=2.88, p<.05)が認められた。交互作用を行った結果, 「制御方略×課題期間」の効果(F(4, 40)=3.41, p<.05), 「訓練方向×課題期間」の効果(F(4, 40)=3.41, p<.05)が有意だった。
 制御方略の主効果が有意傾向であったため, Holm法による多重比較を行った結果, 1分目より4分目, 5分目が高く, 2分目より5分目が高かった(ps<.05)。また, 「制御方略×課題期間」の交互作用の効果が有意であったため, 単純主効果の検定を行ったところ, 3分目および4分目で制御方略の単純主効果が有意傾向であり(ps<.10), 5分目で有意であった(p<.05)。加えて, 課題期間とその他(イメージ)の単純主効果が有意であった(p<.01)。

「訓練方向×課題期間」の交互作用の効果が有意であったため, 単純主効果の検定を行ったところ, 上昇訓練課題期間の単純主効果が有意であった(p<.01)。

図2 計測3の「制御方略×課題期間」「訓練方向×課題期間」

④ 計測4
 「3(制御方略:温冷感, イメージなし, その他)×5(課題期間:1分~5分)×2(訓練方向:上昇, 下降)」の3要因5水準混合計画の分散分析を行った結果, 訓練方向の主効果(F(1, 11)=3.99, p<.10), 課題期間の主効果(F(4, 44)=2.34, p<.10)が有意傾向であった。「制御方略×訓練方向」の交互作用の効果が有意傾向(F(2, 11)=3.94, p<.10), 「訓練方向×課題期間」の交互作用の効果が5%水準で有意(F(4, 44)=3.13, p<.05), 「制御方略×課題期間×訓練方向」の交互作用の効果が1%水準で有意(F(4, 44)=3.13, p<.05)であった。

図3 計測4「制御方略×訓練方向「訓練方向×課題期間」「制御方略×課題期間×訓練方向」

質問1
・計測4回目の結果「A×B×C」の解釈と図のプロット方法。
・下画像の生理指標は, 論文内に添付するか

2. 独自項目の分析

① BF経験の有無
 「2(BF経験の有無:有り, 無し)×4(計測回数:1~4回目)×2(訓練方向:上昇, 下降)」の3要因4水準混合計画の分散分析を行った結果, 訓練方向の主効果が認められた(F(1, 12)=4.73, p<.10)。交互作用の効果および多重比較では, 有意な差が認められなかった。

② 主観的な制御レベル
 「2(以前より皮膚温制御能力が身についたか:高群, 低群)×4(計測回数:1~4回目)×2(訓練方向:上昇, 下降)」の3要因4水準混合計画の分散分析を行った結果, 群の主効果(F(1, 12)=4.29, p<.10), 計測回数の主効果(F(3, 36)=2.56, p<.10), 訓練方向の主効果が認められた(F(1, 12)=3.85, p<.10)。交互作用の効果および多重比較では, 有意な差が認められなかった。

③ 内受容感覚(身体の温度変化に注意を向けているか)を計測回数ずつ

・計測1
 「2(内受容の注意:高群, 低群)×2(訓練方向:上昇, 下降)×5(課題期間:1~5分)」の3要因5水準混合計画の分散分析を行った結果, 群の主効果が認められた(F(1, 12)=4.33, p<.10)。「群×訓練方向」の交互作用の効果に有意傾向が認められた(F(1, 12)=4.12, p<.10)。「群×訓練方向」の交互作用の効果が有意傾向であったため, 単純主効果の検定を行ったところ, 群と下降訓練の単純主効果が有意であった(p<.05)。

・計測2
 「2(内受容の注意:高群, 低群)×2(訓練方向:上昇, 下降)×5(課題期間:1~5分)」の3要因5水準混合計画の分散分析を行った結果, 課題期間の主効果が認められた(F(4, 48)=4.19, p<.01)。交互作用の効果および多重比較では, 有意な差が認められなかった。

・計測3
 「2(内受容の注意:高群, 低群)×2(訓練方向:上昇, 下降)×5(課題期間:1~5分)」の3要因5水準混合計画の分散分析を行った結果, 「訓練方向×課題期間」の交互作用の効果が有意だった(F(4, 48)=3.43, p<.05)。「訓練方向×課題期間」の交互作用の効果が有意であったため, 単純主効果の検定を行ったところ, 課題期間と上昇訓練の単純主効果が有意であった(p<.01)。

・計測4
 「2(内受容の注意:高群, 低群)×2(訓練方向:上昇, 下降)×5(課題期間:1~5分)」の3要因5水準混合計画の分散分析を行った結果, 訓練方向の主効果(F(1, 12)=3.99, p<.10), 課題期間の主効果(F(3, 36)=2.56, p<.10)認められた。「群×訓練方向」の交互作用の効果が有意傾向(F(1, 12)=4.64, p<.10), 「訓練方向×課題期間」の交互作用の効果が有意傾向(F(4, 48)=2.49, p<.10), 「群×訓練方向×課題期間」の交互作用の効果(F(4, 48)=3.62, p<.05)が有意であった。

④ 内受容感覚(身体の温度変化に気づいているか)

・計測1
 「2(内受容の気づき:高群, 低群)×2(訓練方向:上昇, 下降)×5(課題期間:1~5分)」の3要因5水準混合計画の分散分析を行った結果, 「群×訓練方向」の交互作用の効果が有意傾向(F(1, 12)=3.00, p<.10)であったため, 単純主効果の検定を行ったところ, 単純主効果が認められなかった。

・計測2
 「2(内受容の気づき:高群, 低群)×2(訓練方向:上昇, 下降)×5(課題期間:1~5分)」の3要因5水準混合計画の分散分析を行った結果, 課題期間の主効果が認められた(F(4, 48)=3.20, p<.05)。交互作用の効果および多重比較では, 有意な差が認められなかった。

・計測3
 「2(内受容の気づき:高群, 低群)×2(訓練方向:上昇, 下降)×5(課題期間:1~5分)」の3要因5水準混合計画の分散分析を行った結果, 課題期間の主効果認められた(F(4, 48)=2.41, p<.10)。「群×課題期間」の交互作用の効果が有意(F(4, 48)=3.10, p<.05), 「訓練方向×課題期間」の交互作用の効果(F(4, 48)=3.53, p<.05)が有意であった。「群×課題期間」の交互作用の効果が有意であったため, 単純主効果の検定を行ったところ, 群と5分目の単純主効果が有意であった(p<.05)。また, 課題期間と低群が有意であった(p<.01)。

・計測4
 「2(内受容の気づき:高群, 低群)×2(訓練方向:上昇, 下降)×5(課題期間:1~5分)」の3要因5水準混合計画の分散分析を行った結果, 訓練方向の主効果が認められた(F(1, 12)=4.61, p<.10)。「群×訓練方向」の交互作用の効果が有意(F(1, 12)=5.54, p<.05), 「訓練方向×課題期間」の交互作用の効果が有意(F(4, 48)=3.13, p<.05), 「群×訓練方向×課題期間」の交互作用の効果(F(4, 48)=2.14, p<.10)が有意であった。

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心理指標_MAIA(特性尺度)

3. 内受容感覚と計測回数の検討
 下位尺度8つについて
, 「2(群(内受容感覚):高群, 低群)×4(計測回数:1~4回目)×2(訓練方向:上昇, 下降)」の3要因4水準混合計画の分散分析を行った結果, 群の主効果および交互作用の効果はいずれの因子も認められなかった

4. 内受容感覚と課題期間の検討

因子1
 「2(群(内受容感覚):高群, 低群)×5(課題期間:1~5分目)×2(訓練方向:上昇, 下降)」の3要因5水準混合計画の分散分析を行った結果, 訓練方向の主効果(F(1, 12)=3.65, p<.10), 課題期間の主効果(F(4, 48)=2.64, p<.05)が認められた。「訓練方向×課題期間」の交互作用の効果(F(4, 48)=4.38, p<.01), 「群×訓練方向×課題期間」の交互作用の効果が有意(F(4, 48)=2.32, p<.10), が有意であった。
 課題期間の主効果が有意であったため, Holm法による多重比較を行った結果, 1分目より4分目, 5分目が高く, 3分目より5分目が高かった(ps<.05)。「訓練方向×課題期間」の交互作用の効果が有意であったため, 単純主効果の検定を行ったところ, 訓練方向と3, 4, 5分目の単純主効果が有意であった(ps<.10)。また, 課題期間と上昇訓練が有意であった(p<.01)。

因子2, 3, 6~8
 群の主効果・交互作用は認められなかった。

因子4
 「2(群(内受容感覚):高群, 低群)×5(課題期間:1~5分目)×2(訓練方向:上昇, 下降)」の3要因5水準混合計画の分散分析を行った結果, 訓練方向の主効果(F(1, 12)=3.90, p<.10), 課題期間の主効果(F(4, 48)=4.04, p<.01)が認められた。「群×課題期間」の交互作用の効果(F(4, 48)=3.37, p<.05), 「訓練方向×課題期間」の交互作用の効果が有意(F(4, 48)=4.30, p<.01), が有意であった。
 課題期間の主効果が有意であったため, Holm法による多重比較を行った結果, 1分目より5分目が高く, 2分目より5分目が高く, 3分目より5分目が高かった(ps<.05)。「群×課題期間」の交互作用の効果が有意であったため, 単純主効果の検定を行ったところ, 課題期間と高群の単純主効果が有意であった(p<.01)。

因子5
 「2(群(内受容感覚):高群, 低群)×5(課題期間:1~5分目)×2(訓練方向:上昇, 下降)」の3要因5水準混合計画の分散分析を行った結果, 群の主効果(F(1, 12)=3.57, p<.10), 課題期間の主効果(F(4, 48)=2.74, p<.05)が認められた。「訓練方向×課題期間」の交互作用の効果が有意(F(4, 48)=4.06, p<.01)であった。

質問2
 内受容感覚は特性尺度のため, 他の内受容感覚の尺度を用いて調査した方がよろしいでしょうか。しかし, 他の内受容感覚尺度を見ても, ストレス反応の評価や対人面が多く, 本研究に合う尺度が見つかりません。先行研究を読んでも, BFに内受容感覚は重要としか記載されておらず, 具体的な使用例が見つかりません(マインドフルネスなど)。
 そもそも, 心理指標を使わず「心拍カウント課題 , 心拍弁別課題」から内受容感覚を評価している研究もあった(櫻井, 2017)。

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やること

・内受容感覚MAIAの分析聞く
・メンストラムサイクルの論文を調べる(STBFと絡めて)
・生理指標をある程度分析し終わったら, 結果の記入を始める
・卒論のコメントをいただいたところの修正作業を始める

・分析が一通り終了したため, 執筆作業に移行