心理学専門演習Ⅳ-02

前回授業へのコメント
 (本年度は対面形式でコメントいたします)

生理心理学トピック紹介(1)
 ここでは、日本生理心理学会が発行する研究雑誌である生理心理学と精神生理学から、2018年の健康の精神生理学特集を紹介します。

健康の精神生理学
 精神生理学(生理心理学)は、知覚や注意,認知や感情といった心理社会的要因が生体に与える影響を研究してきたが、より長期に渡る適応現象である健康も研究対象としてきた。その背景には、身体的に健康であれば良い、といった古い健康観から、社会的に満たされなければ健康とは言えないといった新しい健康観への転換がある。健康に関する研究テーマであるホメオスタシスやストレスは、心理学においても古くから研究され、そこで得られた知見や実験手法などは、今日の医学研究においても標準的に利用されている。例えば、バイオフィードバックやリラクセーションといった心理学的な行動変容技法を身体疾患に援用するところから行動医学が生まれるなど、心理学と医学は密接に関係しており、健康心理学や臨床心理学、心身医学や行動医学、公衆衛生学など、健康を扱う学問分野は多岐にわたっている。これらの研究は、自律神経活動や脳活動、内分泌活動などの計測に加え、近年では分子生物学や行動遺伝学の手法を駆使した研究あり、研究手法という点でも多岐にわたっている。この研究特集は、(1)妊婦のストレスが胎児に及ぼす影響を検討した論文(2)スピーチ課題を用い心臓血管反応の回復性について検討した論文(3)心臓活動の指標である心拍変動について詳説し心肺系の回復機能について論じた総説(4)ストレス負荷時の意思決定をもたらす生物学的システムについて自律神経系・内分泌系・免疫系の相互作用から論じた論文(5)低コスト測定器を用いた健康教育に関する実践研究(テクニカルノート)により構成される。以下の動画では、低コスト測定器を用いたストレスマネジメント教育について、その内容と、執筆された経緯について概説します。

リアクションの回収と来週の準備
  出欠記録を兼ねたリアクションの回答を原則として当日中に記入してください。リアクションは出席チェックを兼ねていることにご注意ください。