心理サイエンス基礎演習1-15

前回までの授業へのフィードバック
 ここ2週間は、各自でTPSを作り込んでいただいておりました。全員ではないのですが、下記の動画でみなさんが作成したTPSを紹介しておりますので、御覧ください。

振り返りとまとめ
 この授業では、フィジカルコンピューティング(電子工作)、デジタルファブリケーション(3Dプリンタなど)、そしてCGとゲームエンジンを扱います。前期はオンライン授業向きのUnityの学習を行いましたが、後期に感染状況が改善しているようであれば、対面授業でのフィジカルコンピューティングにもチャレンジしたいと思います。
 ゲームエンジンUnityの操作方法学習は、単にゲームを作って楽しもうということではなく、情報処理の授業で用いたようなCGなどの関連技術を、心理学の研究に応用していくことを目指しています。例えば授業のガイダンスで紹介した、VR空間内でCGの男性を殴る実験ですが、「相手と視線が合っているor合っていない」、「殴られた相手が痛そうな表情をするorしない」で、主観的な罪悪感や、それに伴う生体情報がどのように変化するのかを調べる実験に用いられました。3年生の授業用に、研究内容を紹介した動画を用意したので、興味がある方はご覧ください。

 少し込み入った話にはなりますが、「殴ったら罪悪感がある」ということは、そのぶんそのCGキャラクタを「生きた人間だ」と感じていたわけで、さらに心拍数や発汗のような生体情報でその罪悪感を数値化できれば、「そのCGキャラクタがどの程度人間っぽいのか?」をも数値化できるようになると考えたわけです。ロボットやCGなど、様々な非人間エージェントが我々の生活に進出してくる未来において、「人間らしく」感じさせる技術は間違いなく重要で、同時に大きな富を生み出します。そのような先端技術が、私達の住む心理学分野から出てもおかしくはありません。
 上記で紹介した事例は、この授業で扱う技術を応用したほんの一例に過ぎません。皆さんがこの授業で習得した技術・知識は、このような先進的な研究を行うための貴重なものであることを強調しておきたいと思います。後期は、この授業で作成した実験課題で、実際にデータをとる方法を扱っていきたいと思います。

リアクションの記入
 課題が終わった方は、下記リンクより、授業配信日を含め3日以内にリアクションを登録してください。ファイル等を送っていただく必要はありません。リアクションは出欠記録を兼ねており、その内容は成績評価の対象となることに留意してください。
心理サイエンス基礎演習1リアクション