SAHRM

ここはスタンドアロン心拍計のページです。
PPTファイル:SHARM_150915


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心理学的な実験をするとき、心拍数を測りたい事が多くありますが、「生体アンプのある部屋へ行き、コンピュータを立ち上げ波形を確認し・・・」など手間が多く、面倒なのも事実です。スタンドアロン心拍計は、ローコストな部品で使いやすい心拍計を自作することで、このような問題を改善することを目的に作られたものです。


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心電図アンプは、LT1167マニュアルに記載された「図8.神経インパルスアンプ」を若干修正し、単3形電池一本で駆動できるよう5V昇圧型DCDCコンバーターを一体化させた専用基板を用いています。測定された心電図はマイクロコンピュータでAD変換され、R波が検出されます。マイクロコンピュータは、R波を検出した時刻(起動時からの経過時間をミリ秒単位で)をEEPROMに記録します。液晶ディスプレイは、測定時やデータ読み出し時のインターフェイスとして使います。

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部品代金は合計4000円程度となり、ローコストを実現しています。ただし、心電図アンプと、マイクロコンピュータおよびインターフェイス部分をはんだづけして組み立てる必要があります。


心電図アンプ組み立ての様子
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インターフェイス部組み立ての様子
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SHARM_150915記録は、電極をつなぎ、R波検出感度を調整し、再度電源を入れ直すだけです。R波を検出した時刻をEEPROMに記録し続けます。本体電源を切り、PCに接続してバスパワーで起動するとデータ読み出しモードとなり、標準的なキーボードとして認識されるため、テキストエディタやエクセルに直接データ入力が可能です。

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出力されたR波出現時刻から、隣り合うデータの差を求めることでIBIを求めます。時々R波検出に失敗している場合があるため、IBIをグラフに描いて波形を確認します。通常IBIは500-1200程度の範囲に入っているため、あまり短かったり長かったりする場合は検出に失敗しています(上グラフの青い部分)。検出失敗が多発する場合は、1)検出感度が適切でない2)電極が適切に貼り付けられていない3)測定中に被験者が動いている、などの可能性が考えられ、それぞれ改善する必要があります。

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測定したR波検出時刻データは、エクセル等で修正しIBIやHRに変換して用いても良いですが、検出ミスの修正やゆらぎ計算などを手動で行うのが面倒なため、RMSSD計算用のページを用いると便利です。平均IBIを中心に、+方向と-方向の逸脱基準を設定し、その範囲に収まらない場合は直前のIBIで置き換えます。

1分バージョン:http://kodamalab.sakura.ne.jp/nagano/rmssd/form.html
30秒バージョン:http://kodamalab.sakura.ne.jp/nagano/rmssd30/form.html

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Web上グラフを見ながら、検出ミスが生じている部分(上記グラフ青線部分)を半自動で修正できます。また、1分間隔でIBI、HR、RMSSDの平均値を算出することができます。


実験事例

下記は3名の参加者のリラックス(音楽を聞きながら目をとじる)時のIBIです。

IBIr

次に、パズル課題(タングラム)中のIBIを示します。課題は3人とも同じものであり、同一時間帯に同一テーブル上で行ったため、必然的に競争的な要素を含む形になっています。

IBIt

IBIから計算したRMSSDは以下のようになりました。RMSSDは副交感神経の指標なので、リラックス中に高くなるはずですが、逆の人もいます。これは本人に確認したところ、安静期間中に咳を我慢していたからのようです。

RMSSD


このように、扱いが容易でローコストな心拍計を複数台用意することで、様々な分野に心拍数や心拍ゆらぎ分析を導入してゆくことが可能となります。

 

 

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